下部尿路について

はじめに

猫の祖先であるヤマネコは、もともと砂漠に住む動物でした。水が少ない過酷な環境に適応するため、体内の水分を効率よく使おうとした結果、おしっこを濃縮して出すように進化しました。しかしその反面、おしっこの中に結晶や結石ができやすくなってしまったのです。

下部尿路疾患とは

猫の「下部尿路疾患」とは、特発性膀胱炎をはじめ、膀胱や尿道に砂や石のような結晶(結石)がたまってしまう「尿石症」や、尿道がふさがっておしっこが出にくくなる「尿道閉塞」など、膀胱から尿道までの下部尿路に関する疾患の総称です。

尿石・結石について

食事における
下部尿路の健康ケア

食事をすることで尿pHが変動するため、食事の与え方にも配慮が必要です。フードを食べると、食べたものを消化するために胃の中に胃酸が分泌され、体内の酸が胃に集中します。すると、尿に出される酸が減り、尿pHはアルカリ性に傾くのです。そのため、一度にたくさんのフードを食べさせるのではなく、少しずつ分けて与える方がよいのです。飼い主さんの生活リズムにもよりますが、出来れば1日2回以上に分けて与えることで、尿pHの急激な変動に配慮できることがわかっています。

フードの給与回数と尿PH

※ペットライン調べ

水分補給の大切さ

水分補給をすることでおしっこの量を増やしてあげることは、下部尿路の健康維持に役立つと言われています。下部尿路の健康維持に配慮したフードを選ぶ、あまり水を飲まない猫にはドライフードだけではなくウェットフードを与えるなど、食事で水分を補うのもいいでしょう。

生活習慣における
下部尿路の健康ケア

下部尿路疾患には、食事だけではなく生活習慣も大きく関係しています。生活習慣で気をつけてあげるべきことは、「新鮮で十分な水」はもちろんですが、「適度な運動」、「清潔な環境」なども維持してあげることが大切です。飲み水やトイレが汚れていると、猫が水を飲むのをためらったり、トイレを我慢したりして、下部尿路疾患のリスクが高まる可能性があります。適切な食事を与えることはもちろん、どこでも水が飲めるように複数の水飲み場をつくり、トイレは飼育頭数より1つ多くするなどの工夫をし、こまめに掃除することで清潔な状況を保ちましょう。

おしっこの異変から
疑われる症状

【おしっこの色】

健康なおしっこの色は、ジャスミン茶のような透明で薄い黄色です。普段と比べておしっこに赤味があったりキラキラした結晶が混じっているようなら膀胱炎や尿石症、無色透明なら糖尿病や慢性腎臓病の疑いが。また白濁や褐色、黄色味が強い場合も病気にかかっている可能性があります。

【おしっこの回数や量】

頻繁にトイレに行くのにおしっこの量が少ない、おしっこを出そうと頑張っているのに出ていないといった場合は、下部尿路疾患の可能性も考慮に入れるべきでしょう。おしっこの回数は個体差がありますが、成猫は1日に2~3回することが多く、子猫の場合は成猫より回数が多い傾向にあります。
一般に、猫は体重1㎏当たり1日に20~30mlのおしっこをすると言われており、多すぎても少なすぎても注意が必要です。

【おしっこをする時の様子】

おしっこをする時に痛がって鳴いたり、トイレの滞在時間がやけに長い場合も病気の疑いがあります。

【おしっこの匂い】

異臭・無臭はNGです。無臭は腎臓の機能の低下や、腎臓病の疑いがあります。

異変に気付いてあげられる
ために

猫の体調を管理するためには、普段のおしっこの状況を知っておくことが大切です。普段の状況を知ることで、具合が悪くなったときのバロメーターになります。健康状態の変化に気付いてあげられるよう、定期的なチェックを習慣にしましょう。

Topページへ戻る