下部尿路について

猫の「下部尿路疾患」って何?

猫の悩みで多いって言われてる「下部尿路疾患」って何なの?漢字だらけでよくわからニャいなー

この記事では

について解説いたします。

下部尿路疾患って何?

膀胱(ぼうこう)から尿道までの下部尿路に起こる「おしっこにまつわる疾患」の総称です。

特発性膀胱炎をはじめ、尿結石(尿石症)や尿道閉塞などが含まれます。

中でも代表的なものが尿結石。おしっこの中に結晶ができ、それがたくさん集まることで尿結石となります。

なぜ猫はおしっこの中に
結晶・結石が
できやすいの?

もともと砂漠に住んでいた猫の祖先は、体内の水分を効率よく使おうとした結果、おしっこを濃縮して出すように進化しました。

しかしその反面、おしっこの中に結晶や結石ができやすい体質になってしまったのです。

尿中の結晶や結石は
なぜ危険なの?

おしっこの中に結晶が残ったままだと尿結石ができやすくなります。

その尿結石が尿道につまったり、膀胱を傷つけたりすることで猫ちゃんに悪影響をもたらし、最悪の場合は命に危険が及ぶこともあるので注意が必要です。

猫の「尿石」は
主に2種類ある!

下部尿路疾患のひとつである尿石症は一般に、マグネシウムやカルシウムなどのミネラルが多い食事によりかかりやすくなると言われています。

猫の尿石で代表的なのは、マグネシウム由来のストルバイト(リン酸アンモニウムマグネシウム)と、カルシウム由来のシュウ酸カルシウムの2種類です。

【年齢ごとに異なる2種類の尿石】

マグネシウム由来の尿石

ストルバイト

1歳~6歳までの成猫期の猫に多い尿石です。尿pHがアルカリ性になると結晶化しやすくなるため、尿を酸性に調整する必要があります。

カルシウム由来の尿石

シュウ酸カルシウム

7歳からの高齢期・11歳からの老齢期の猫に多い尿石です。尿pHが酸性になると結晶化しやすくなるため、尿をアルカリ性に調整する必要があります。

この2つの尿石は結晶化しやすい尿pHや発症しやすい年齢が異なります。

そのため食生活では、成長段階にあったフードを選ぶことも大切です。

結石の種類と
尿pHの密接な関係

猫の下部尿路疾患を予防するためには、マグネシウムやカルシウムの過剰摂取を避けるなど、ミネラルバランスを調整することが重要です。

また、尿pHの値を年齢に応じてコントロールしてあげることもとても重要です。

ストルバイト尿石とシュウ酸カルシウム尿石は年齢によってできやすい尿pH値が異なります。

成猫期に多いストルバイトはpH値が6.6以上で結晶化しやすく、高齢期に多いシュウ酸カルシウムはpH値が6.0以下で結晶化しやすいとされています。

尿pH値による結晶化のグラフ
出典「(改訂版)動物看護のための小動物栄養学」阿部又信著

こんな「おしっこの異変」
にご用心!

おしっこの色

健康なおしっこの色は、ジャスミン茶のような透明で薄い黄色です。

普段と比べておしっこに赤味があったりキラキラした結晶が混じっているようなら膀胱炎や尿石症無色透明なら糖尿病や慢性腎臓病の疑いが。

また白濁や褐色、黄色味が強い場合も病気にかかっている可能性があります。

おしっこの回数や量

頻繁にトイレに行くのにおしっこの量が少ない、おしっこを出そうと頑張っているのに出ていないといった場合は、下部尿路疾患の可能性も考慮に入れるべきでしょう。

おしっこの回数は個体差がありますが、成猫は1日に2~3回することが多く、子猫の場合は成猫より回数が多い傾向にあります。

一般に、猫は体重1㎏当たり1日に20~30mlのおしっこをすると言われており、多すぎても少なすぎても注意が必要です。

おしっこをする時の様子

おしっこをする時に痛がって鳴いたり、トイレの滞在時間がやけに長い場合も病気の疑いがあります。

おしっこの匂い

異臭・無臭はNGです。無臭は腎臓の機能の低下や、腎臓病の疑いがあります。

「食事」でできる
下部尿路の健康ケア

食事をすることで尿pHが変動するため、食事の与え方にも配慮が必要です。

フードを食べると、食べたものを消化するために胃の中に胃酸が分泌され、体内の酸が胃に集中します。

すると、尿に出される酸が減り、尿pHはアルカリ性に傾くのです。

そのため、一度にたくさんのフードを食べさせるのではなく、少しずつ分けて与える方がよいのです。

飼い主さんの生活リズムにもよりますが、出来れば1日2回以上に分けて与えることで、尿pHの急激な変動に配慮できることがわかっています。

「水分補給」でできる
下部尿路の健康ケア

水分補給をすることでおしっこの量を増やしてあげることは、下部尿路の健康維持に役立つと言われています。

下部尿路の健康維持に配慮したフードを選ぶ、あまり水を飲まない猫にはドライフードだけではなくウェットフードを与えるなど、食事で水分を補うのもいいでしょう。

「生活習慣」での
下部尿路の健康ケア

下部尿路疾患には、食事だけではなく生活習慣も大きく関係しています。

生活習慣で気をつけてあげるべきことは、「新鮮で十分な水」はもちろんですが、「適度な運動」「清潔な環境」なども維持してあげることが大切です。

飲み水やトイレが汚れていると、猫が水を飲むのをためらったり、トイレを我慢したりして、下部尿路疾患のリスクが高まる可能性があります。

適切な食事を与えることはもちろん、どこでも水が飲めるように複数の水飲み場をつくり、トイレは飼育頭数より1つ多くするなどの工夫をし、こまめに掃除することで清潔な状況を保ちましょう。

異変に気付いて
あげられるために

猫の体調を管理するためには、普段のおしっこの状況を知っておくことが大切です。

普段の状況を知ることで、具合が悪くなったときのバロメーターになります。

健康状態の変化に気付いてあげられるよう、定期的なチェックを習慣にしましょう。

まとめ

下部尿路疾患についてまとめると、

  • 下部尿路疾患は下部尿路に起こる「おしっこにまつわる疾患」の総称で代表的なものに尿結石(尿石症)がある。
  • 猫はおしっこの中に結晶や結石ができやすい体質
  • おしっこの「色」、「回数や量」、「様子」、「匂い」の異変にもご用心。
  • 食事、水分補給、生活習慣それぞれにおいて下部尿路の健康ケアが大切。
  • 異変に気付いてあげられるためには、定期的なチェックの習慣化が重要。

いつまでも長く一緒にいられるように、あなたの愛猫の健康状態を気にかけてあげてくださいね!